第8話 アリスが逃げた日(2019年4月8日)

連敗に連敗を重ねるメシアエージェント3人組。もはやミカエルに会わせる顔もない。「次こそは必ずアリスを倒す」と息巻いてもやっぱり自信がない。そんな3人にミカエルは2つのモデロイドを与える。「アリスの心を抉る」その秘密兵器とは…

 

一方今日もふうたん部はモデロイド騒動をしっかり収めていた。もう皆ふうたん部としての活動が板についてきており、特に快人とアリスに至っては妙なベテランの風格まで漂わせている。日陰はそんな2人を「いずれ最高のパートナーになるんじゃないか」と指摘するが皮肉屋の快人とお調子者のアリスは戦闘以外では微妙に気が合わない様子。何故2人の相性がいいのか?それを本人達も理解できていない。

 

そんな中メシアエージェント3人がジュラル星人モデロイドを使ってふうたん部を襲ってきた。「今回は勝つ自信がある!」と強がる3人を快人とアリスは適当にあしらい、ジュラル星人モデロイドを瞬殺する。狼狽える3人を見て、アリスは「もうやめよう」と和解を提案する。もはやアリスにとってメシアエージェントは脅威でも敵ですらもなくなっていた。これに3人は猛抗議するが、アリスは「この3人は元々メシアじゃないはず」と切り出す。

 

アリスが言うには、メシアとはそもそも組織ではなく「ミカエル」という1人の人間が名乗ったもの。そのミカエルがエージェント3人を適当な口実で雇って組織っぽくふるまっているだけなのだろうという。それを指摘された3人も、誰一人としてミカエルの真意を知らなかった。だったら尚更争う理由はない。ミカエルの野望は皆が考えるより遥かに恐るべきものであり、そんなミカエルに従う必要はない、とアリスは3人を諭す。

 

しかし3人も「こっちにだって退けない理由がある」と、ミカエルから授かった2つのモデロイド、オーズモデロイド(ガタキリバ)とゲノセクトモデロイド(赤)を展開。それを見たアリスの表情が一変、絶望から動けなくなってしまう。そんなアリスをチャンスとばかりにボコボコにするエージェント3人。非常事態と見たふうたん部はモデロイドでアリスに加勢。猛、詩織、渡、日陰はエージェントに立ち向かっていき、快人と美月が倒れたアリスを救出する。

 

アリスが目を覚ますとふうたん部部室に座っていた。いくら相手モデロイドが強いと言っても、さっきのアリスの挙動は明らかにおかしかった。普段のハイテンションでお調子者なアリスとはまるで違う。あのモデロイドの何がアリスをそうさせたのか?快人と美月の問いかけに、アリスは口を開く。

 

あの2つのモデロイドは、アリスがメシア基地を逃げ出した日、彼女を手助けしてくれた2人の仲間が使ったモデロイドだったという。

 

メシア基地。ミカエルの恐るべき野望を食い止めようとしていたアリス。しかしミカエルとは戦いにすらならず、いずれ抹殺される運命にあった。そこに現れた見ず知らずの2人の人間。彼らはアリスを救出しメシア基地から逃がしたのだという。一方のアリスは2人を助ける事も出来ずただ逃げる事しかできなかった…

 

アリスはいつものお調子者の顔の裏で、ずっとその事に対する負い目を感じ続けていた。「かっこいい正義の味方」として振る舞い続けることでその負い目から逃げ続けていたのだ。

しかし、2人が使っていたモデロイドが目の前に現れた事で、逃げようがない重圧に押し潰されてしまった。アリスは激しい自己嫌悪に陥ってしまう。

そんなアリスを見て快人は「能天気に見えてもきちんと悩んでいた」と思わず安心し、「そもそもメシアが今も存在してる時点でこうなる事は予測できていた」「その2人はアリスを逃がす事で、アリスに希望を繋いだ」と諭す。だからむしろ正義の味方として誇り、2人の希望を受け継ぐべき、とアリスの背中を押す。そして美月も「私たちも一緒に戦ってるから心配いらない」と共に背中を押す。

 

エージェントのモデロイドに苦戦する猛達。そこに、悩みを吹っ切ったアリスが乱入した。どうせ勝てやしないとタカをくくるエージェントが差し向けるモデロイドにアリスは敢然と立ち向かった。私は正義の味方と言う肩書を誇る。自分を信じてくれた希望を受け継ぐ。仲間がいる。もう恐れるものは何もない。そんなアリスに猛、詩織、渡、日陰のモデロイドも続き、次第に優勢になっていく。そしてアリスは新たに編み出した必殺技「ストリームブレード」によってエージェントのモデロイドを一刀両断。

2つのモデロイドはまるで成長したアリスに満足するように展開を解除していく。

話が違う!とエージェント3人組はたまらず撤退。アリスはふうたん部の仲間たちと共に、残された2つのモデロイドを手にミカエルの野望を止める事を誓うのだった。

 

するとその平穏を砕くようにふうたん部を空から謎の光線が襲った。見上げるとそこに浮かんでいたのは、緑色のアリスと瓜二つの少女。

またアリスの偽物!?芸がなさすぎると猛はクレームをつけるが、その少女は意味不明な事を語り始める。

 

「むしろアリスが自分の偽物。自分から造られた模造品」

 

「モデロイドは人の理想、イメージを具現化した人類への福音」

 

「しかしそれを扱う人類が未発達。次のステージへ進める救済を行わねばならない」

 

救済。その言葉に快人は、この少女の正体を突き止めた。

その少女こそがメシアのボスにして自分達が倒すべき真の敵。ミカエルであると。

 

 

現在のモデロイド勢力図

 

ふうたん部:アリス、縄文式土偶、オルトロス(小)、しまっちゃうおじさん、8頭身、インクリング(イカ)、初音ミク、せんとさん、スタープラチナ、イーノック、クウガ、ブラックマジシャンガール、ポプ子、ピピ美、ジュラル星人、オーズ(ガタキリバ)、ゲノセクト(赤)、

 

メシア:フーパ、バルタン星人

 

不明:オルトロス(大)、ゾロアーク、ララ